2016.09.22
朝7時半。私たちはBoston Latin Schoolの正門にいました。
学校見学を受け入れてくれたボストンラテンスクール(BLS)とは,アメリカで最も古い学校で,1635年に創立されました。ハーバード大学は翌年の1636年です。今回の学校訪問を全面的にお世話してくださったJudi先生(歴史)によると,「ちょっとしたジョークがあってね,ハーバードはBLSの生徒を受け入れるために創立されたのよ」と笑いながら話してくださいました。この学校は公立ですが,ボストン周辺のトップ層が集まる学校で,examination schoolと呼ばれる学校です。通常の学校とは異なり,7年生(中1)~12年生(高3)の6カ年です。入学するのも競争率が高く,例年4,5倍とのこと。進学先もいわゆるアイビーリーグ(東海岸の名門大学)が多く,特にハーバードには毎年30名近くが進学するそうです。
この写真は講堂の内部で、暗くてよく見えないかもしれませんが、世界史の教科書に出てくる人が何人もいます。
優秀な生徒がそろっているということで,日本の高校生たちは不安がっていましたが,Judi先生が生徒ひとりに対し,一人ずつBLSの生徒をつけてくださり,7時半から11時半まで,その生徒が選択している授業に参加させてもらいました。(写真はマッチングをしているとき)
4つの授業に参加するわけですから,日本の高校生は大丈夫だろうかとむしろ引率者のほうが心配しましたが,杞憂だったようで,わからないなりに楽しんだようです。「日本語も英語もまともに使えんのに,スペイン語の授業!さっぱりわからんかったけど,なんか楽しかったー!」と明るく話す姿に女学院生のたくましさというか,天真爛漫な姿に安心するやら,逆に大丈夫だろうかと心配になるやら。とにかく,あっという間に4時間が過ぎました。
引率者はBLSの生徒に学校案内をしてもらい,またJudi先生の歴史の授業の見学もしました。アメリカでは年度初めということもあり,通常の歴史の授業に入る前に「自分の歴史に向き合う」という目標のもと,生徒は「自分の生い立ちについて」「私という人間」について,写真等を見せながら(パソコンではなく紙ベースで)説明をします。とても興味深い取り組みでした。
以下は学校内の様子です。まずは図書館。
ロッカーはすべて廊下にあります。
音楽は全員必修は音楽理論。あとは選択で、合唱、オーケストラなどがあるようです。
ラテン語の語尾活用です。この学校では全員が4年間ラテン語を学びます。
ドアにはりつけてあった面白いフレーズ。成功するための戦略:時間、集中力、情報源、フィードバックの活用、コミットメント、忍耐、だそうです。
ランチはBLSが私たち全員にサンドイッチを準備してくださっていて,朝到着してから12時過ぎ学校を出る時まで,細やかなおもてなしに終始感激していました。Judi先生とは,今後も何らかの形で交流を続けたいね,と話しました。
また、引率者が司書教諭(工学院)と英語(女学院)であること、また平和をテーマにしていることから、図書館での時間をたっぷりとって下さったり、実際に授業で使っている世界史の教科書のうち「ヒロシマ」をどのように扱っているかについての説明も受けたりしました。
最後に集合写真。
本校も数多くの学校見学を受け入れていますが、このようにきちんとおもてなしできているだろうかと改めて考えるいいきっかけを頂きました。
一期一会ですね。