2017.05.05
今日は、CTBTO(包括的核実験禁止条約機関)を訪問しました。CTBTOはCTBT(包括的核実験禁止条約)の検証制度を構築し、条約が発効し次第すぐに運用できるように準備をしている機関です。ちなみに、CTBTとは「宇宙空間、大気圏内、水中、地下を含むあらゆる空間での核兵器の核実験による爆発、その他の核爆発を禁止する条約」です。1996年の国連総会で採択されました。現在183カ国が署名、166カ国が批准しています。しかし、発効要件国(44カ国)のうち、8カ国が批准していないため、発効はされていません。
CTBTOのスタッフの方がこうおっしゃいました。「まだまだ、CTBTのことや、核実験禁止の重要性が理解されていない。だから、核実験禁止・核兵器禁止の思いを世界中に伝えてほしい。世論を動かすことが重要だ」
世論を高めるには、市民の連帯の連帯が不可欠です。
その後、ウィーン・インターナショナル・スクールを訪問しました。14~16歳の学生と交流しました。初めに各校、1分間の学校紹介プレゼンを行いました。その後2つの班に分かれ、ディスカッションを行いました。私の班では、原爆投下の経緯や、被爆者の体験、また広島と長崎は安全なのかなど、さまざまな話題が飛び交いました。福島は安全なのかとも問われました。その質問に対し、私たちは「放射能の危険性は、専門家でも意見が割れる。わからないというのが、答えだ」と伝えました。非常に興味深そうに聞いていました。同世代の意欲的な姿勢に刺激を受けました。
昼食後、在ウィーン日本政府代表部の北野充大使と懇談を行いました。ナガサキ・ユース代表団のメンバーの皆さんとともにお会いしました。北野大使はこうおっしゃいました。「若者の横のつながりが大切だ。また、思いをぶつけたり、違うbackground(生い立ちや相手の置かれている状況)の人と話したり、思いを共有することが大切だ」。
貴重な体験でした。
秋山信将先生(一橋大学大学院教授・現在は外務省出向中)と、食事をとりながら、意見交流を行いました。秋山先生は私たちにエールを送ってくださいました。「その問題について、繰り返し考えることが重要だ。考えることをやめ、自分の思いだけをわずかな知識と関連づけたならば、それはおごりである。君たち若者が活動してくれることがうれしい」。
出会わせていただいた方々、またサポートをしてくださった方々に心より感謝申し上げます。明日からも、健康第一で地道に謙虚に、被爆者や市民の思いを胸に刻み、学習をします。
盈進高校 2年生 高橋悠太